さまざまな最小侵襲手術MISの中でもより組織を温存する手技を行います
身体への負担が少ない最小侵襲手術MISにも色々な手技があります。最小は言葉の意味から本来1つであるべきですが固有名詞化しており意味をなしていません。当院では最小侵襲手術MISのなかでも、より組織を温存する手技を行います。
創部は小さいだけでなく見た目もきれいになるように心がけます
手術創の大きさは通常、人工股関節置換術では6〜8 cm、寛骨臼回転骨切り術では7〜9cm程度です。体格や変形の程度で異なります。
多くの股関節手術では、皮膚のしわと交わる方向に傷が作られることが多いですが、しわの方向に傷を作った方が、綺麗に傷が治り目立ちにくくなることが知られています。股関節手術(人工股関節置換術・寛骨臼回転骨切り術)を受ける女性患者さんの90%以上に対し皮膚のしわと同じ方向に傷を作って手術を行っています。小さいだけでなく綺麗に目立ちにくく治ることが期待できます。
男性の患者さんや、女性の患者さんでも体格や変形の程度により、通常通り皮膚のしわと交わる方向に傷を作ることがあります。
いろいろな治療法を提案します
一部の病院では、人工関節置換術にかたよった治療法のみが提案されてしまうことがあります。当院では患者さんの個々の状態を把握し、年齢、関節の状態、生活レベルや希望に応じて患者さんと相談しながら一人一人のニーズに合った治療法を提案します。
臼蓋形成不全症に対する寛骨臼回転骨切り術は、骨盤を寛骨臼の形にそって骨切りし移動させ、骨頭の被覆を多くする手術です。
身体の横を切開して骨切りする部分を展開する寛骨臼回転骨切り術(RAO)がポピュラーな手術方法です。身体の前方から骨切り部を展開し同様に骨切りする方法としてCPOやSPOがあります。RAOに比し、CPOやSPOは皮膚切開が小さく、筋への負担も少なくなります。
CPOとSPOは展開部分はほぼ同じですが、骨の切り方が異なります。それぞれに利点、欠点があるため、われわれは患者さんの骨の状態でCPOとSPOを使い分けています。
筋肉を切らない低侵襲な進入法
CPOやSPOの骨切り部を展開するために、従来の方法では一部の筋を切離し、表層の骨を一部切って深部(骨切り部)を展開していました。われわれは、筋を全く切離せず温存し表層の骨を切らない縫工筋内側筋間進入で、CPOやSPOを行っています。従来、低侵襲な骨切り術といわれていたCPOやSPOにおいて、さらに低侵襲になることが期待できます。
小さくかつ目立ちにくい手術創
患者さんの体型や股関節の変形の程度によりますが、寛骨臼回転骨切り術(CPO,SPO)の手術創は7〜9cm程度です。
手術の傷は皮膚のしわと同じ方向に作った方が、綺麗に目立ちにくくなおることが知られています。CPOやSPOでは、通常、皮膚のしわと交わる方向に傷が作られることが多いですが、われわれは女性患者さんの90%以上の方に皮膚のしわと同じ方向に傷を作っています。傷が小さいだけでなく整容面でも目立ちにくく綺麗になおることが期待できます。
ただし、男性の患者さんや女性の患者さんでも体格や変形の程度により、通常通り皮膚のしわと交わる方向に傷を作ることがあります。
股関節鏡という小さなカメラを関節内に入れて、そのカメラの映像を見ながら関節内の治療を行います。1.5cm程度の小さな傷を2〜3カ所作成します。筋肉への負担も少なく手術後の回復が早いことが特徴です。主に股関節唇損傷などが関節鏡での治療の対象になります。