変形性膝関節症
へんけいせいひざかんせつしょう変形性膝関節症はどんな病気ですか?
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変形性膝関節症とは膝の関節の軟骨や半月板がすり減ったり壊れたりして膝関節に痛みを生じる病気です。
変形性膝関節症はどんな症状が出ますか?
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主な症状は膝の腫れと痛みです。はじめのころは椅子からの立ち上がりや動き始めなど動作開始時の痛みです。中期では正座や階段昇降なども痛みが発生します。進行して末期になると、夜間痛などの安静時痛が発生し、歩行が不自由になるなど日常生活に大きな支障を来すようになります。
変形性膝関節症の原因は何ですか?
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軟骨がすり減る原因には加齢によるものが多く、肥満や遺伝子も関与しています。また過去のけが(骨折や靱帯損傷)や疾患(関節リウマチなど)が原因となることもあります。
変形性膝関節症はどのようにして診断しますか?
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診察での問診、関節のはれ、圧痛の部位、変形の程度を調べ、X線検査(レントゲン)やMRI検査にて実際の関節の変形、すり減りの程度を確認します。初期の頃はMRIでないと診断できないこともあります。
変形性膝関節症はどのような治療がありますか?
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症状に応じて飲み薬や貼り薬などの使用や、必要に応じて関節内にヒアルロン酸などの注射を行うこともあります。また大腿四頭筋強化などの運動器リハビリテーションを行うことも有効な手段のひとつです。このような保存療法(手術以外の方法)でも症状の改善が得られない場合は、手術療法(人工関節手術や骨切り術、場合によっては関節鏡手術)を行います。
変形性膝関節症は放っておくとどうなりますか?
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関節軟骨は自然に再生することはありませんので変形性膝関節症は持続します。
変形性膝関節症を早く治すにはどうしたらいいですか?
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きちんと治すためには正しい診断が不可欠です。大腿骨内顆骨壊死症などとの診断の鑑別が必要になりますので、専門医をきちんと受診することが大切です。
変形性膝関節症の手術にはどのような方法がありますか?
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人工膝関節手術、骨切り術、関節鏡手術などがあります。人工膝関節手術の中にも、膝と内側と外側を両方とも金属で補う人工膝関節全置換術、内側や外側だけを金属で補う人工膝関節単顆置換術や、関節内靱帯を温存するタイプと靱帯機能を代償するタイプの人工関節など様々な選択肢がありますが、当院では個人の状態や、術後にしたい生活や運動などに合わせて最も適したものを患者さんと相談しながら選択します。また関節内の荷重部位を変化させるための脛骨の骨切り術である、脛骨高位骨切り術やまた症状が半月板などに限局する場合は関節鏡手術を実施することもあります。