変形性股関節症
へんけいせいこかんせつしょう変形性股関節症はどんな病気ですか?
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股関節は、大腿骨頭と、それがはまり込む骨盤側の寛骨臼で構成されています。この両方の表面には関節軟骨というクッションが存在し可動域を確保しつつ関節が円滑に動くように表面を覆っています。変形性股関節症は、その関節軟骨がすり減ってしまう病気です。
変形性膝関節症はどんな症状が出ますか?
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この病気は股関節の痛みを引き起こしますが、最初は立ち上がり時や歩き始めに脚の付け根が痛くなります。症状が悪化すると睡眠中に痛みで目がさめることさえあります。また、動きが悪くなるため、階段がつらくなったり、速く歩けなくなったりします
変形性股関節症の原因は何ですか?
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女性の患者さんの多くに、発育性股関節形成不全の後遺症や股関節の形成不全といった子供の頃からの股関節の発育障害が原因のことがあります。しかし男性の方でも発症しますし、男女問わず年齢や肥満を原因として発症することがあります。
変形性股関節症はどのようにして診断しますか?
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診察での問診、関節のはれ、圧痛の部位、変形の程度を調べ、X線(レントゲン)、MRI検査にて実際の関節の変形、すり減りの程度を確認します。初期の頃はMRIでないと診断できないこともあります。
変形性股関節症はどのような治療がありますか?
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症状に応じて飲み薬や貼り薬などを使用したり、必要に応じて関節内に注射を行うこともあります。また股関節の周囲筋強化などの運動器リハビリテーションを行うことも有効な手段のひとつです。このような保存療法(手術以外の方法)でも症状の改善が得られない場合は、手術療法(人工関節手術や骨切り術)を行います。
変形性股関節症は放っておくとどうなりますか?
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関節軟骨は自然に再生することはありませんので変形性股関節症は持続します。
変形性股関節症を早く治すにはどうしたらいいですか?
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きちんと治すためには正しい診断が不可欠です。大腿骨骨頭萎縮症や大腿骨骨頭壊死症などとの診断の鑑別が必要になりますので、専門医をきちんと受診することが大切です。
変形性股関節症の手術にはどのような方法がありますか?
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若くて変形が初期であれば関節の形状を変化させる骨切り術の適応がありますし、関節の変形が進行している場合は人工股関節手術が適応となります。人工関節も変形や可動域制限の少ない方には前側方アプローチを使用した軟部組織温存人工股関節手術を実施しており、また変形が高度な方には後方アプロ―チでの軟部組織を再建する人工関節手術を実施しています。